黒姫高原スキーレポート 
2015年2/12〜16 
 
 2/13(金)午前9時頃 平日なので人が少ない。午前10時から検定講習が始まるので、その前に身体慣らしをしておきたい。夜行バスで来たのだが、狭くて殆ど眠れませんでしたが、寒さで眠気も吹き飛び吹雪の中気合を入れて受講。私はその様子をチラッと見ただけで、自分の練習に専念しました。
 
検定講習の集合場所です。奥の大きな建物がコスモプラザ(レストラン)で、夜行バスはここまで来てくれました。2級・1級・中級・上級などに分かれて講習が行われ、1級は10人いました。5人ずつのグループに別れ、2人のインストラクターが講習。 
 
いよいよ講習開始ですが、それにしても酷い吹雪の中を休憩もなくぶっ続けでした。一つのグループの受講者は東京・大阪・京都・富山・岡山の5人でした。なるほどどこかのシーカヤックスクールのようで、皆さん真剣そのものでした。こんな遠くまで来なくても地元にスクールがあるじゃないかって思われるかも知れませんが、このスキー場に来るとなるほど遠くからやって来るに値する所だと肌で感じられるのです。 
 
この右正面の建物が4人乗りクワッドの乗り場で、3日間ともこのリフトを利用して練習をしました。 クワッドに乗ると速くて快適なので他のリフトに乗る気がせず、ずっとこのゲレンデで滑っていました。土日は人が多かったけれども、非常にストレスの少ないスキー場でした。オススメです。
 
最初このグループを見たときにテレマーク軍団かと思ったのですが、どうもビンディングがテレマークとは違い山スキー仕様のビンディングと分かりました。山スキービンディングはブーツの踵が固定できるので、アルペンと同じように滑れます。しかしこの荷物にこの大雪の中では相当難しいのでは・・・。でもリフトに頼らないで登るこの姿勢に惹かれるのであります。 
 
 ボードの姿も見えますが、この人達はスラロームの大会に出る選手です。この黒姫のスキー場では、スキーのスクール以外にもボードスクール、テレマークスクール、少人数スクール、個人レッスンとどの斜面にも講習光景が見られました。皆真剣そのものです。私のように個人的に練習をしている人は圧倒的に少ない。
 
1級の検定を受検する経緯はそれほど明確で計画的ではありませんでした。毎週ナイターに出かけ滑っている時に「そろそろ受験してみるかね〜?!」って話している内に、行くとしたら「今しかない。今でしょ!」ってことになり、非常に安易な気持ちで行く準備を始めました。 
 
これはクワッドリフトのもう一つ上のペアリフトですが、スピードが物凄く早い。乗るときにシートが脚にガツンと当たり気をつけないと非常に痛いのですが、ノロいリフトよりはあり難い。 
 
これが1級受講者の皆さんですが、斜面は大雪でグサグサの不整地そのもの。この不整地で大回り・中回り・小回り・の講習。試験内容は整地での大回り・小回り・横滑り・不整地での小回りの4種。合格は280点以上。 
 
 今回の黒姫でのスキー検定を契機に気がついたことは、「不整地」の概念と小回りの採点が非常に厳しいということ。「不整地」の意味は一つではなく、単なる不整地もあれば大きな溝があるコブ斜面も含まれるということ。これはもっと早く気づいているべきで相当迂闊でありました。また小回りに限らず基本的に「股関節」の使い方をどのようにするべきかの意識が全てを物語ることを痛切に感じましたね!私は傍で見ていただけですが・・・。
 
これがクワッドリフトの上の急斜面不整地です。ボコボコです。ここが1級の急斜面の検定会場だったのですが、試験当日は一晩で80cmほど積もりリフトも停止するほどで変更されました。またコブ斜面での小回りも大雪の為変更になり、全ての種目を2級の中斜面で行われました。 
 
 先生によって教え方が当然少しずつ違いますが、言葉による説明の多い先生と説明は少なくどんどん滑らせる先生の場合は、受け止め方は受講する人によると思いますが、私は後者の方が理解しやすいと考えますね。カヤックの指導を20年以上やっていて、技術指導をする時に一度に二つ以上のことを説明しても無理だし、一杯説明しても受講者は戸惑うばかりで、沢山教えたからって沢山をすぐには学べないことは、何度も経験しています。やる気のある先生ほど一度に多くのことを教えようとする傾向があるように思いますが、やはり教えて貰うならより優れた先生にお願いしたいものです。
 
一時こんな晴れ間もありましたが、ほんの束の間でした。写ってませんが、写真の左方面に野尻湖が見えます。 野尻湖周辺には最近多くの外国人が住み始めたとかそんな話を宿泊している所で聞きましたが、結構外国人も来ていましたね。夏は涼しくで過ごしやすそうですから、カヤックを持って来て野尻湖一周でもやりたいね!時間があれば・・・。
 
2/15(日)午前9時40分 そろそろ検定開始です。受講予定者17人が11人に減っていました。一晩で80cmも積もり整地バーンはどこにもない状態が予想され、実際滑ってもスキー操作は困難を極める状況でした。この11人の中にももう止めようと思った方は少なくとも2人はいました。 
 
しかし結局大雪の為に、整地でも不整地でもない状況の2級の検定会場で1級も実施され、むしろ一番楽な状況の雪面だったように思いました。検定開始までに他の多くの方が滑り固めてほぼ整地のような状態になって滑りやすい斜面になっていました。しかも1級は2級の受験者の後に滑っていましたから、更に滑りやすかったのではないかと・・・。しかし結果は下のような非常に厳しい採点でした。 
 
合格者はたったの一人でした。私は少し離れた場所から、コースの真横から見ていたのですが、さすがに1級受験者は上手で、積極果敢な滑りに、これなら合格者は半数にも達するのではないかと想像していたのですが、僅か一人ですからちょっとビックリしました。思うに、コースがあまりにも易しすぎたので、逆に採点がより一層厳しくなったものと思われます。コブ斜面などもなかったも同然ですから、また受験をして下さい・・・と言う得点ではなかったのでしょうかね?! 
 
当初の検定会場はここでした。これは試験前日の状態です。当日はリフトも止まる大雪でした。そして不整地はここではなく、もっとボコボコのコースでした。斜面的にはそれほど急な坂ではありませんが、正確に小回りするには、明確な体重移動とやはり外向傾でしょうかね?! 
1級検定の結果は上記のような内容でした。一人しか合格できませんでした。合格したした方とそうでない方の差は唯一「コブ斜面」での(講習中の)滑りだったのではないかと推測します。それと、私は遠くから、そして横からしか見ていませんので、明確ではありませんが、「外向傾」の形がきちっと取れているか否かではなかったのではないかと思うのです。昨今では色々な滑りの形が提示されていますが、カービングスキー導入後に「外向傾」が若干軽視される傾向にあったのが、再びこの形が重要視されつつあるようです。それがゼッケン7番の方の評定に出ているようにも思います。
私は5人くらいが合格するのではと思っていましたが、相当厳しい結果でした。合格者と不合格者の間に大きな得点の開きはありませんが、279点と280点の間の1点は相当大きな内容の1点ではなではないかと感じた次第です。なかなか良い勉強になった黒姫高原スキー合宿でした。 
 
合格された方は、事前講習の時に大きなコブ斜面を難なく滑っていたそうで、その他の皆さんは、次回受験までにどんなコブでも滑れるようにして来てください・・・と言うことではないのかなと私なりの感想を持ちました。でもまぁ私は受験者の皆様全員に大拍手を送りたいですね! 
 
 検定が終了して昼食後はしばらく休憩をして、何回か滑りましたが、3日目とあって体力も相当消費して4時には切り上げて宿(ロッジしらかば)に戻りました。宿のオーナーが車で送り迎えして下さるのですが、もともと黒姫のインストラクターだった方なので、色々とアドヴァイスを頂き大変助かりました。
来る時は狭くて乗り心地の悪いバスだったので、帰る時もそのバスかと思っていたら全然別の快適なバス(長野交通)でした。運転手さんの服装や接客態度も非常に良くて、往路のバスとは雲泥の差でした。黒姫を21時に出発し予定通り大阪梅田には午前7時前には到着し、梅田でモーニングを食べ通勤ラッシュを避けてゆっくりして昼過ぎには岡山へ戻って来ました。 
 あっという間の4泊5日のツアーでしたが、実り多い合宿検定でした。ところで行く前に2日間でコブ斜面攻略などと偉そうなことを書いていましたが、良い線を掴んだかも知れないので、今シーズン後半は実際のコブで色々とチャレンジしてみようと思っています。いつも行っているスキー場はコブがないので、また別のスキー場を探さないといけませんが・・・。
 終了
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